任せることで人は成長していく

人のせいにしているうちはうまくいかない

まだわたしが100%ハサミを持っていた27~28歳の頃、売上を上げるには、「自分ががんばるしかない」と思い込んでいました。

でも、わたしひとりだけで一生懸命働いていても、お店はまったく伸びなかったのです。

そして、そのことを、その当時のわたしは

「あの人が悪い、この人が悪い」

といつも誰かのせいにしていました。

これでは、うまくいくはずがありません…。

そんなとき、ある外部講師の方から

「一度外に出てみたほうがいいんじゃない」

とアドバイスをいただきました。

「え!?一生懸命やっているのに、わたしが悪かったの!?」

と、当時はもの凄くショックを受けました。

でも、いつかはハサミを置かなければいけないとわかっていたので、そのタイミングを機にマネジメントや経営の勉強をはじめたのです。

 

トップが外に出ることで人に任せられるようになる

日本とロンドンとの間で大きなギャップを感じていたことのひとつに、美容師という職人へのイメージがあります。

わたしが学んでいたロンドンでは、手に職を持っている美容師という職業を敬う風土があったのですが、日本では

「勉強が苦手だから美容師になった」

という人も多く、世間からもそういった目で見られていました。

そんな背景もあって、わたしはマネジメントや経営の勉強をする際にはあえて美容業界の外に飛び出すことにしたのです。

そして店舗の仕事から離れてみたところ、驚くことにスタッフが一気に育っていき、お店の売上もどんどん上がっていきました。

 

任せることで、スタッフのやる気も上がる

それまでわたしが店舗にいたときには、相手の意見を聞けず、

「それは違うんじゃないか」とスタッフを否定してしまいがちでした。

ところが、お店を空けるようになると、状況がわからなくなる分、わたしの態度も自然と変わっていき、

スタッフに判断を任せたり、お願いをしたり、相手の意見に素直に耳を傾けられるようになりました。

結果的に、お店を任せられたスタッフたちは、

「やっと任せてもらえた!認めてもらえた!」

と、さらにやる気になり、売上も伸びていったのです。

 

ひとりでがんばらないほうがうまくいく

現場にいるときは、ハサミを持って給料をいただいていたので、

「ハサミを持たずに同じ給料をもらうには、何かのスキルを身につけなければ…」

と、自分のスキルアップのために外に出たわけですが、それによって人が育っていったことで、

「わたしがいないほうが、うまくいくということ?」

と、当時のわたしはとても衝撃を受けました。

結局は、自分ひとりでがんばるより、人に任せられるようになったほうがうまくいくのだということが、よくわかった出来事です。

 

いかがでしたか?

責任感が強いと、つい、人に任せるのは不安・・・

と思ってしまいがちですが、人を頼る、任せることも組織の成長には必要なことです。

まずは、小さいことからぜひ試してみてはいかがでしょうか?