人財育成は、「自分の在り方」を整えることが近道

 

まわりの人は自分の鏡

人財育成は、結局は自分に返ってくるものです。
実際にいろいろな手法を試してきて、人を育てるには「自分の在り方」を整えることが一番の近道だということを実感しています。自分の考えや心を整えることで、人生を生きやすくなりますし、仕事の成果も出やすくなっていくのです。

また、自分の在り方次第で、まわりに集まる人たちがいい仲間なのか、悪い仲間なのかも変わってきます。まわりの人は自分の鏡です。

うまくいく会社とそうではない会社の違い

人が育たない会社や、人が育たないと感じている人は、ベクトルが自分に向いてしまっていませんか?

会社を経営するのも自分のため、これを売るのも自分のため、これをするのも結局は自分のため…と、いくらきれいごとを並べていても、すべてのベクトルが自分に向いている人を見かけます。
こういう人は、怒るときにも、自分がスカッとするために感情的に言葉を発したり、自分の理論を通すことを目的にしてしまっています。これも、自分にベクトルが向いている状態です。

自分のことを愛し大切にすること、自分を満足させることも大切ですが、最終的にはみんながしあわせになることを考えているか、人のことを想っているかどうかが一番大切でしょう。在り方が整っている人は、全体を考えることができます。

人が大切だと思うようになったきっかけ

じつは、わたし自身も、この考えをもともと持っていたわけではありません。
若いときのわたしは、人と一緒に過ごすのは面倒に思っていましたし、ひとりでもできると思っているタイプでした。
人の面倒をみるのも苦手で、人に時間をとられることも好まない。
自分さえがんばれば、夢は叶うと思っていたのです。

当時は現場でバリバリ仕事をし、コンテストで受賞したり、たくさんのお客さまに囲まれて、自分自身の成長を感じていた頃でした。
でも、お店の売り上げや雰囲気づくりは、次第に限界に…。
自分が正しいと思ってひとりでがんばっているときは、まったくうまくいきませんでした。

その流れが変わったのは、ひとりではなく仲間を大切に思いはじめてからです。
「まわりの人が動き出したら、自然に結果が出るようになった」という感覚でした。
「パリコレのような大きな仕事も、仲間がいるからできること」
「自分の代わりに任せられる人がいるからできる仕事だな」と実感するようになっていきました。
この経験から、「人は大切だ」と心から感じるようになったのです。

自分が仕事を休めるのも、代わりに働いてくれている仲間がいるから。
わたしが社長という役割ができるのも、スタッフがいるから。
いまでは、いろいろな人が集まってきてくれたおかげで、それぞれの能力を結集させて、自分ひとりではできない、本当にやりたかったことにも近づけるようになりました。

どんなにいい手法を取り入れても、最終的に重要なのは「人」です。

そのためには、まずは自分の在り方を整えること。
これからも、わたし自身、後継者を育てていくときに、このことを大切にしていきたいと思っています。